top of page

参議院国土交通委員会「住宅セーフティネット法改正法」にARCHメンバー

土肥真人が参考人として意見を述べました(2017年4月18日)

2017年4月23日公開

ARCHメンバーの土肥真人(東京工業大学 環境・社会理工学院准教授、エコロジカル・デモクラシー財団代表理事)が、去る4月18日の参議院国土交通委員会の参考人として意見陳述しました。

「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案(住宅セーフティネット法改正法案)」の審議に対するものです。この法案は、空き家を活用し低所得者や高齢者など住宅確保に配慮を要する方への住宅提供を促進するというものですが、その対象にホームレス状態の方も明記すべきという立場で、東京ストリートカウントの結果や推計を用いながら地域づくりの観点も含め意見を述べました。意見の要旨を下記に転載します。

また、当日委員会にて配布した資料(PDF)は下記より、審議の動画は参議院のウェブサイトにてご覧いただけます。

画像出典:参議院インターネット審議中継より(http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

​【配布資料】

・意見の要旨

 ※下記に転載してあるものと同様

 

・説明資料

 ※当日説明に用いた資料

【動画へのリンク】

・参議院インターネット審議中継

 

 ※上記サイト上で、「国土交通委員会」「2017年4月18日」を選択してください。

 該当の意見陳述は開始後17:40より、15分程度です。

【参考リンク】

・住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定

​ 国土交通省(2017年2月3日)

提出意見と理由

 

意見1.住宅確保要配慮者の定義におけるホームレス」への言及について:

「第二条一項の「住宅確保要配慮者」の定義内に、「ホームレス」の明記が必要と考えます。」

理由:ホームレス問題は無視できない規模かつ、継続的な対策や持続的な仕組みづくりを必 要とする社会的課題であり、今回の法案はこうした社会的課題に資する可能性を大いに持 っている。

 

意見2.「ホームレス」その他の住宅確保要配慮者の入居後の支援の必要性について:

「第四十二条「居住支援法人」の業務に就労・福祉・医療など入居後の支援内容を、第五十 一条「居住支援協議会」を構成する団体に上記の入居後支援を行う者を加え、協議会が扱う 協議内容に入居後の必要な支援を途切れなく提供することを明記すべきと考えます。」

理由:支援サービスありきで場所を提供するのは「施設」、住むことがはじめに確保されて そこに必要な支援を挿入するのが「住宅」、住宅に安定居住できるように、必要な支援サー ビスを受けられるようにする事が必要です。住宅行政と福祉行政の連携が求められます。

 

意見3.公共投資としての家賃保障や改修費補助:

市場を尊重した社会住宅ストックの拡充(=家賃の低廉化)

(1)「現在予算措置のみとされている家賃補助(保障)・改修費補助制度は、法文に明記され ることが必要だと考えます。」

理由:住宅セーフティネットの形成と良好な社会住宅のストックの拡充を実現するために は、家賃補助(保障)・改修費補助を法に位置づける必要があります

(2)「住宅セーフティネットという公共財として機能しているか、継続的にチェックする必 要があります。」

理由:実際に入居された、住宅確保要配慮者の数、属性、場所、および適正に改修され、適 正な家賃で賃貸された件数を、KPI として目標にし、評価すべきです。また、住宅確保要配 慮者の実態を明らかにするための大規模調査が必要です。

意見4.都市経営、地域づくりの視点が必要です。ソーシャルミックスというビジョンを明 確に示し、自治体を、力づけること。 :

「本法が住宅供給のみならず多様で持続的な地域コミュニティ形成に資するものとして位 置づくよう、国が理念(基本方針)を持って、地方公共団体を啓発し(計画)、居住支援協 議会が、当該業務に当たれるよう支援することが必要だと考えます。」

理由:本法は住宅供給のみならず、包摂的な地域づくり、持続的なまちづくりに資する可能 性を有するものであり、都市経営の戦略としても、本法がソーシャルミックスという大きな 理念を背景に持つこと、また各自治体において多様性ある社会が実現されるように、国が指 導的役割を果たし、必要な支援施策を実施することが求められています。

bottom of page